■妖精の生息地=妖精が生息している可能性のある場所
■妖精の生息地=妖精が生息している可能性のある場所
▼フェアリーリング( Fairy Ring )
▼呼称
・フェアリーリング=キノコの輪=菌輪(きんりん)
・キアカル・ナ・シー ( Ciorcal na Sídhe )=「シーの輪(妖精の輪)」
➔アイルランド・ゲール語圏での表現
▼解釈
▶ フェアリー(妖精)の踊り場
ケルトの民間伝承では「フェアリーリング」は妖精たちが夜間に輪になって踊った跡だと理解しています。
この場所は「他界との接点」と見なされ、人間がうっかり足を踏み入れると、妖精の領域に引き込まれ、時間の流れが異なる世界に迷い込むと信じられています。
▶ 時空の歪みと異界への門
ケルト神話では「シー(Sí)=他界」は、地中や丘、森の中など特定の自然の場に開いているとされています。
フェアリーリングはシー(Sí)への入り口(Portal)の一つであり、夏至やサウィン( Samhain )=10月31日日没から11月1日日没までの節目の日には特に「通路」となるとされています。
※ハロウィンの起源
▶警告と禁忌の場所
フェアリーリングの内部に入ることは禁忌(Taboo)とされ、特に輪の中にとどまることは「魂を取られる」「一生戻れなくなる」といった危険を意味しています。
このため、踏み入れた者は塩や鉄を使って脱出を試みるべしという民間儀式も存在しています。
▼フェアリードア( Fairy Door )
▼呼称
・フェアリードア(Fairy Door)/ フェアリーエントランス(Fairy Entrance)
・エルフドア(Elf Door) / マジックドア(Magic Door)
「フェアリードア(Fairy Door)」とは、妖精の世界と人間の世界をつなぐ小さな扉のことを指し、主に西洋の民間伝承や現代のファンタジー文化に登場します。
太く苔むした木や洞がある木には、シーへつながる“門”があると信じられています。
▼解釈事例
▶ ケルト文化における信仰
ケルト神話では、森や丘(特にフェアリーマウンド)が「妖精界への入口」とされています。
木の根元や岩の裂け目などにドアが現れるという伝承もあります。
ドルイドは「樹木は異界とこの世をつなぐ柱である」古木や樹洞の中は「妖精、精霊、小人、死者の魂」が通るポータル(通路)と見なしています。
いま現在も特定の聖なる樹木(オーク、イチイ、ナナカマドなど)を神聖視されています。
▶アイルランドの伝説
妖精たちは「Sídhe(シー)」と呼ばれ、ドアを通じて人間界と行き来すると信じられてきました。
ドアは「見える者にだけ見える」象徴的な存在。
▶北欧神話との関連
「ノーム(Gnome)」や「エルフ」の住居として、小さなドアが登場します。
木の幹や岩の中に隠された世界への入口とされています。
▼フェアリーマウンド( Fairy Mound )
▼呼称
・フェアリーマウンド( Fairy Mound )
➔ 英語圏で用いられる俗称/「妖精の塚」「精霊の丘」
・シー ( Sídh / Sídhe )
➔ アイルランド語で「丘」「霊的な存在の居住地」を意味 / ゥアハ・デ・ダナーンの居所
※トゥアハ・デ・ダナーン(Tuatha Dé Danann):古代アイルランド神話に登場する神族
※彼らは妖精(エルフ)として人間の世界に時折現れる
▼解釈
▶異界(アザー・ワールド)の入口
フェアリーマウンドはこの世と「アニムの世界(霊界)」をつなぐポータルとされ、特に節目の夜(夏至やサウィンなど)に開くと信じられている。
▶トゥアハ・デ・ダナーンの住処
神族トゥアハ・デ・ダナーンは地上から姿を消した後、地下世界「シー」に移り住んだと伝えられている。
▶時間の歪む場所
マウンド内部では時間が異常に遅れる、または止まるとされ、戻った者が何十年も経っていたという神話が多く残る。
▶ドルイドの聖地・儀式場
一部のマウンド(例:ニューグレンジ)は天文と一致した設計がなされており、太陽の再生や死者の導きのための聖所とされていた。
▼フェアリー・パス ( Fairy Path )
▼呼称
・フェアリー・パス ( Fairy Path )
➔ 精霊・妖精の通り道(フェアリー・パス)
古代ケルトでは、フェアリー(シーの民)は真っ直ぐな道を好み、木や岩の間の狭間を移動すると考えられていました。
そのため、木と岩の間の隙間や空洞は「妖精の通路」とされ、人間が塞いではならない場所とされていました。
▼解釈
▶ドルイドの儀式
木の根元や岩の間に供物を納めることで霊や土地の精霊と交信。
▶予言・夢見
岩の割れ目や木の洞に身を寄せ、アザー・ワールドとの接触やビジョンの受信を試みる。
▶守りと禁忌
隙間を無理に塞ぐと不運や妖精の怒りを招くとされ慎重に扱われた。
▼水辺 ( Fairy Portal )
▼解釈
ケルトでは水辺は妖精界への「ポータル」と考えられていました。
湖、泉、川のほとりには「シー(Sídhe)」と呼ばれる妖精が住むと信じられています。
有名な伝説:アイルランドの「湖の乙女」や「湖の女神(Lady of the Lake)」など、水源と妖精が結びついています
▼解釈
▶スコットランド・ブリテン諸島
妖精の中でも「セリー・コート(Seelie Court)」の一部は、清らかな流れや霧の立ち込める湿地帯に姿を現すとされます。
沼や泉には「ウォータースピリット」「ニンフ」「セルキー(アザラシの妖精)」など、水に関わる精霊的存在が登場します。
▶ 北欧神話
ノルン(運命の女神)やエルフ(アルヴ)たちは水源近くで祈りや予言を行うとされ、「ユグドラシルの根元」には神聖な泉があるという象徴もあります。
▶ 日本の伝承
河童や山の精霊、龍神など、水の存在と精霊的存在が密接に結びついています。
「神水(しんすい)」「霊泉」など、水は神や精霊の通り道・宿り場として認識されています。
▼注意!!
森の中で「フェアリーリング」(菌輪)「フェアリードア」「フェアリーマウンド」「フェアリーパス 」を見つけたら、その周辺に妖精や精霊たちが生息している可能性があります。
これらの場所は聖域ですので、妖精の許可なく侵入、植物採取、岩の移動などをしてはいけません。
妖精や精霊たちとコミュニケーションをご希望する場合には、聖域を侵さない場所から、お供え、声を掛けるようにしてください。